◆現車の特徴と状態
　日本で唯一キットカーを手掛けたメーカーである光岡自動車が世に送り出したマイクロカーである「Ｋ‐４」です。もちろんこの「Ｋ‐４」はキットカーとして販売され、初代オーナーである現所有者が組立てし、自身で登録を行いました。
　現車の存在感は相当なもので、ツーリングに出かけたりすると、車好きに限らず大人から子供まで注視してくるそうです。
　２００６年１１月に発売された「Ｋ－４」は、４９ｃｃ２ストロークエンジンを搭載しており、排ガス規制により２２０台をもって販売終了となっている稀なキットカーでもあります。１９３０年代のフォーミュラーカーをイメージしてデザインされたボディは、低く小さいながら可愛らしい印象を与えてきます。原付ではありますが４輪の軽自動車ですので、３０ｋｍ/ｈの法定最高速度の適用は受けず路上を普通に走ることができます。

☆ボディカラーはシルバー(銀)
☆ドライブとリバースのギア切換えあり
☆当然ですが一人乗り
☆軽自動車に付き車検ありません
☆ヘルメットの装着義務なし
☆年間維持費は軽自動車税７，２００円と自賠責保険８．６５０円
☆車庫証明必要なし
☆ホンダDIO系の部品流用可能
☆２００７年８月をもってメーカー販売終了

◆取材記
　光岡自動車のマイクロカーの取材ができると聞いて「マイクロカー？」ってどんな車を言うのだろうと思いながら現地へ向かいました。

　この種の車に対しては知識が少なく、実物を見てビックリしました。イギリス辺りで昔流行ったマイクロカーなら少し知っておりましたが、日本の自動車メーカーが独自開発し正式に発売していたとは知りませんでした。

　当然のことなのかもしれませんが、ボディはＦＲＰを整形して造られており、フレームはパイプを組んだパイプフレーム。エンジンは２ストロークの４９ｃｃ。レーシングカートと同じレイアウトをした構造ですが、サスペンションが、しっかりしたものが装着されています。

　この「Ｋ－４」が宅配便で運ばれてきた時に、運送ドライバーがいくつもある大きな箱を運びながら「こんなに大きい箱なのに軽いですね。何が入っているんですか？」と質問されて「マイクロカーですよ」と返事すると、運送ドライバーは「？？？」と目をクリクリさせていたそうです。

　色々調べてみたら、「横野工場オリジナルモデル」という特別仕様車で、フェンダーをボディと同色にペイントしてあり、メッキ仕様のグリルにするなど高級感が漂う仕上がりのものがあったようです。この現車はフェンダー四隅に擦傷が付いていたりするので、補修ペイントする時に、いっそのこと世界に一台の、自分だけの特別仕様車を目指したら面白いんじゃないかと思いました。

◆所有者さまからのメッセージ

　退職を機会に自分に何か思い出に残るプレゼントをしたいと思い、このキットカー「Ｋ－４」を購入して自分で組立てました。

　総販売台数が少なかったので、私が手に入れたときで「もう最後です」と言われたのを覚えています。それが本当の最後の１台だったかは分かりませんが、発表されている販売時期を見ると、最後のほうだったんでしょう。
　２ストのエンジンは元気よく回りますので、路上走行でスムーズに流れに乗れます。ただし、この見た目ですので、注目度は半端なく、人から観られるのは覚悟してください。オールドカーフェスなどに特別参加枠で出展させて貰うのが楽しみになると思います。

　運転すると気持ちの良いドライビングフィールに魅了されることと思います。普通車と違って小さいので、駐車場に困りません。とても維持しやすい「究極の大人のおもちゃ」になると思います。